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と、息せき切って玄関の小ごうしをひらいた由美子は、そこでまた、ハッとして立ちすくんでしまったのである。
座敷のなかには兄の健一がさるぐつわをはめられ、たか手こ手にしばられて、倒れていたではないか。
マフラ吻肖欷悉
その翌日の夕がた、きのうとおなじ国電のなかで、今買ったばかりの夕刊をひらいて読んでいた俊助は、ふいにハッとしたように顔色をかえた。
「発明家兄妹、怪漢におそわる」
というような見出しのもとに、昨夜、吉祥寺で起こった怪事件がデカデカとのっているのだ。それによるとくせもの[#「くせもの」に傍点]はさいしょ、瀬川健一をその自宅におそい、これをたか手こ手にしばりあげて家じゅうかきまわしていったのち、こんどは妹の由美子の帰りを待ちうけて、これを襲撃したというのである。
俊助は、それを読むとまっ青になった。
――ああ、どうしてあのとき、じぶんはむりにでも、由美子を家の前まで送ってやらなかったのだろう。じぶんさえついていれば、こんな恐ろしいことは起こりはしなかったのだ。
新聞には、あまりくわしいことは出ていないが、由美子はひどいけが[#「けが」に傍点]でもしたのではなかろうか。
そう考えると、すべての責任がじぶんにあるような気がして心配でたまらない。そこで俊助は、すぐその足で由美子兄妹を見舞ってやることに決心した。
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と、そのとき、ふとみょうなものが俊助の目にとまった。土手の上一面に咲きみだれた秋草のあいだに、なにやら赤いものがちらついている。
「おや、なんだろう」
俊助はおもわず身をかがめ、その赤いものをすくいあげたが、そのとたんかれはハッとしたように顔色を動かした。それは見おぼえのある由美子のマフラ扦ⅳ盲俊¥筏猡蓼螭胜椤ⅳ猡韦韦撙搐趣衰抓氓磨辘趣郡燎肖椁臁⑼磷悚扦栅撙摔袱盲郡瑜Δ摔い盲绚つ啶膜い皮い毪韦扦ⅳ搿
俊助がその泥をはらい落としているとき、うしろのほうで、草をふむ足音が聞こえたので、ハッとしてふりかえると、ひとりの男が、木立のあいだに立って、じっとこちらをながめている。
俊助はその男のようすを見ると、おもわず身がまえた。
昨夜の男だ。昨夜国電のなかで、由美子をおびやかしたあの男なのである。
男のほうでも、俊助の顔を見るとちょっとおどろいたようであったが、すぐにツカツカと木立のあいだから出てきた。
「きみ、きみ! きみが今ひろったものはなんだね」
わりあいにおだやかな|声《こわ》|音《ね》なのである。
俊助は答えないで、無言のまま、じっと相手の顔を見つめている。四十歳ぐらいの小男で、するどい目つきをしていたが、しかし人相は思ったほど|兇悪《きょうあく》ではなかった。
せいかん[#「せいかん」に傍点]なまゆのあいだにも、どこかゆったりしたところが見えるのだ。
「きみ、ちょっとそいつを見せたまえ」
男はこうしじまのオ些‘のあいだから、右手を出した。
「いやだ」
俊助はマフラ颏Δ筏恧摔筏胜椤⒁徊饯Δ筏恧摔筏辘兢
「いいから、こちらへ出したまえ」
「いやだ。きみはなんの権利があってそんなことをいうのだ。きみはいったい何者だ」
「なんでもいい。出せといったら出さないか」
男はしだいに俊助のほうへつめよってくる。俊助は一步一步しりぞいてゆく。ふたりはグルリと道の上で円をえがいて、こんどは俊助のほうが木立のそばへ追いつめられていった。
そこにはがんじょうな鉄条網が張りつめられてあるので、しりぞこうにも、もうそれ以上しりぞくことができないのだ。
「きみ、きみ、出せといったらおとなしく出したまえ」
「いやだ!」
そう叫ぶと同時に俊助はネコのように身をすくめると、いきなり相手の男におどりかかっていった。ふいをくった相手の男はもろくもあおむけざまに、ズデンと道の上にころがったが、それを見るや俊助は、すばやく馬のりになってつづけさまに二つ三つポカポカとなぐった。
「このやろう、ひどいやつだ。昨夜瀬川兄妹をおそったのはきさまだろう」
「ちがう。はなせ! 苦しい」
小男は苦しそうに目をむいて、
「ちがう、ちがう。きみはなにかを铡猡筏皮い毪螭馈¥长椤ⅳ浃幛螭>欷握撙摔皮啶ぃ郏!袱皮啶ぁ工税悖荬工毪取ⅳ饯韦证螭摔悉筏皮螭荆
「警察の者?」
俊助はそう聞きかえしながら、おもわずちょっとひるんだ。そのすきに男はすばやく、俊助のからだをはねつけてとびあがった。しかし、べつに俊助のほうへとびかかってこようとするのでもない。
「わけもいわずにいきなり声をかけたのは、こちらが悪かった。きみ、そのマフラ虺证盲啤伌à渭窑蓼扦浃盲皮郡蓼ā¥胜摔猡庠挙筏皮浃毪椤
そういうと、このふしぎな男は、俊助のほうには見むきもせずに、先に立って步きだした。
石狩のトラ
「いやわけ[#「わけ」に傍点]もいわずに由美子さんのあとをつけまわしていたのは、わしが悪かった。しかし、これも警視庁の命令だからかんべんしてもらいたい。わしは|木《きの》|下《した》という刑事なんだよ」
瀬川兄妹と俊助を前において、あのふしぎな小男は、はじめて身分をあきらかにした。
「しかし、その刑事さんがなんだって、由美子さんのあとを尾行しているんですか?」
俊助はまだふ[#「ふ」に傍点]におちない。
「ふむ、きみがふしんがるのもむりはない。じつは――」
と、木下刑事はひざ[#「ひざ」に傍点]をのりだすと、
「ちかごろ、北海道の警察から枺─尉晭丐摔郡い筏啤ⅳ窑袱绀Δ酥卮螭蕡蟾妞颏猡郡椁筏皮郡韦馈
というのはほかでもない。むこうで|石《いし》|狩《かり》のトラという名で知られている、ひじょうに兇悪な強盗犯人が、枺─饲比毪筏郡椁筏ば污Eがあるというのだ。じつに恐ろしいやつで、人殺しでも強盗でも、平気でズバズバとやってのけようという悪党なのだ。
警視庁でもすてておけない。ただちに手配して、最近、どうやらそいつではないかと思われるようなやつをひとり発見した。というのは、この石狩のトラというやつは、左足がなくって、木の義足をはめているものだから、それが目じるしなのだ。ところが、そいつが目をつけているらしいのが、ふしぎにも瀬川さん、あなたがたなんですよ」
「まあ!」
由美子は、おもわずくちびるまでまっ青になった。
しかし、そんな恐ろしい男が、どうして、こんなまずしい兄妹をつけねらっているのだろう。ぬすもうにもなに一つ持っていない、このびんぼうな発明家をねらって、いったいどうしようというのだろう。
「さあ、そのてん[#「てん」に傍点]です」
と、木下刑事。
「警視庁でもそのてん[#「てん」に傍点]わけがわからないので、とにかくまちがいのないようにといって、このわしがひそかにきみたちを護衛していたわけなんだ。それがかえってきみたちのうたがいをまねくもとなんだが、きょうになって、やっと石狩のトラの目的というのがわかった。瀬川さん、これはじつによういならぬ事件ですぞ」
「よういならぬ事件というと?」
健一は病弱らしい目をしばたたきながら、不安そうにたずねると、
「じつはきのう、北海道の警察からあらためて報告がとどいたので、はじめてわかったのだが、石狩のトラがねらっているのは、ビ圣工涡扦椁筏い韦馈
「ビ圣工涡扦趣いΔ韦希俊
「わしにもよくわからないが、なんでもヨ恁氓绚未蠊位适窑恕⒈ξ铯趣筏皮膜郡铯盲皮い俊r価、数儯鼉窑猡筏瑜Δ趣いΑⅳ工肖椁筏ぅ昆ぅ浈猊螗嗓坤饯Δ馈¥趣长恧ⅳ饯违昆ぅ浃匣实郅撙氦樯鶚S家の鮎川里子に贈られた。そしてさらに鮎川里子から、おいにあたる瀬川健一に、遺産としてゆずられたようすがあるというのですよ。
つまり瀬川さん、石狩のトラがねらっているのは、あなたのお持ちになっている、何儯鼉窑猡工毪趣いΕ昆ぅ浈猊螗伞ⅴ萤‘ナスの星らしいですよ」
かがやく星
健一と由美子のふたりはぼうぜんとして、おもわず顔を見合わせた。
「しかし、しかし刑事さん。ぼくはそんな高価なダイヤをゆずられたおぼえはありませんよ。それはきっとなにかのまちがいでしょう」
「さあ、そこだ」
と、刑事はひざをのりだして、
「鮎川里子さんも、きっと悪党がこのダイヤをねらっていることを知っていられたので、とちゅううばいとられるきけんがあると思って、なにかにかくして、あなたがたのところへ送ってこられた。ところが、その秘密をうちあけずに死んでしまわれたので、ダイヤはまだだれにも知られずに、かくし場所にあるにちがいないと思うのです。そこで瀬川さん、あなたはなにか鮎川さんから、生前贈られたものがありませ